2014年ドラフトの主役がいっぱい。実力派揃いの大学生たち (3ページ目)
そして最後に、忘れてならないのが中央大の左腕・島袋洋奨(興南高/左投左打)だ。高校時代に見せたピッチングセンスと、ここ一番の場面で点を与えないしたたかさは、今でも忘れられない。打席に入る打者からじっと視線を外さない投手は、菅野智之(巨人)とこの島袋しか知らない。この姿を見て、「ピッチャーだなぁ……」と、思わずため息が出たものだ。
中央大では入学するとともにリーグ戦で登板。以降、ずっとエース格としてマウンドを守ってきた。しかし、昨秋は混迷のシーズンのように思えた。150キロは出ていたかもしれないが、一方で、突然リリースポイントを見失い、コントロールできなくなる恐怖を味わった。甲子園で春夏連覇を達成した高校時代のピッチングを再び取り戻すことができるのか、島袋にとってはまさに勝負の1年となる。
「島袋は斎藤佑樹(日本ハム)のように思えてしまう。あの突き抜けたピッチングセンスは、上のレベルに行くほど生きてくるはず。投手の本能として、スピードもほしいだろうが、自分の特長を間違えないでほしいですね」
あるスカウトが、リーグ戦のマウンドで苦投する島袋を見ながら、そう語っていた。ただ、能力は一級品。それは間違いない。
この他にも、今年の大学球界には各地に能力の高い逸材たちが散在している。実力派が揃う今年の大学野球にぜひ注目してほしい。
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