【12球団分析・巨人編】由伸新体制のカギを握る「内海哲也の復活」

  • 深海正●文 text by Fukami Tadashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

プロ野球12球団、2016年の戦力分析(4)

 高橋由伸新監督は「一新」とチームスローガンを掲げながらも、既存の戦力に信頼を置き、奮起、巻き返しを強く促している。顔触れが大きく変わることは想像しにくい。急成長を遂げた若手、新外国人らがそこにどう絡んでいくかが、今シーズンの見どころになる。

昨シーズンわずか2勝に終わった内海哲也昨シーズンわずか2勝に終わった内海哲也

 昨季はチーム打率がリーグ最低の2割4分3厘に終わり、ここ数年は得点力不足にあえいでいる。これが一番の課題で、キャンプを前にチーム打率2割6分~6分5厘を今季の目標として掲げた。

 オフから監督が頻繁に名前を挙げ、叱咤してきたのが阿部慎之助、坂本勇人、長野久義の3人。昨年まで一緒に現役として戦い、その力はよく知っている。坂本、長野にはこれまでの成績では物足りず、キャリアハイに近いところを望み、十分にそれは可能として見ている。本人たちの自覚も強い。阿部に求めるところもまずは打撃で、守備はその次。基本はファーストとして考え、試合終盤に、あるいは、何試合かに一度はスタメンで捕手を任せる、といった起用法が現実的だ。

 ともに新外国人のルイス・クルーズ(前ロッテ)とメジャー通算122本塁打のギャレット・ジョーンズ(前ヤンキース)は、長打力が期待されている。クルーズは二塁手、ジョーンズは外野手として起用される見込みだ。

 残るポジションでは、捕手は小林誠司を基本軸に相川亮二がサポート役を務め、外野の残る一角は昨季ブレークした立岡宗一郎が一番手で、橋本到や新人の重信慎之介、大田泰示らと競争を繰り広げる。

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