【12球団分析・巨人編】由伸新体制のカギを握る「内海哲也の復活」 (2ページ目)
そして最も注目されるのが三塁の定位置争い。実績で言えばもちろん村田修一だが、昨季は打率2割3分6厘と散々な成績に終わった。頭角を現してきたのが2年目の岡本和真で、オフもフェニックスリーグや台湾でのウインターリーグで勝負強い打撃を見せた。将来性が豊かで、レギュラーとして使ってみたい素材だ。坂本も高卒2年目から定位置を任され、実戦を通して成長し、今の地位を築いた。岡本をどう使うか、新監督が出す決断を興味深く待ちたい。
監督が期待する生え抜き3人が額面通りに働き、外国人2人が触れ込み通りの爆発力を見せれば、強力打線ができあがる。亀井善行や片岡治大、西武から復帰した脇谷亮太といった実力者も控え、層の厚さは疑いようがない。ただ、ここ数年は前評判がいくら高くても、ふたを開けてみれば得点力不足に苦しんできた。昨季ほどの貧打はないと見るが、過度に期待することも禁物だ。
その打撃陣の不振を救ってきたのが投手陣だった。ここ数年、安定した成績を残し、優勝争いを繰り広げる原動力となった。ただ今季は、昨年までに比べて上積みは小さい。先発では、エースの菅野智之に不安はないが、昨季、大車輪の活躍を見せたマイルズ・マイコラスに、アーロン・ポレダ、高木勇人は2年目を迎え、相手もデータがそろい、攻略法を練ってくるだろう。
実際、高木勇、ポレダはすでに昨季後半から勝ち星が伸び悩んでいた。杉内俊哉は昨年10月に股関節の手術を受け、復帰は早くて後半戦からとなっている。即戦力候補のドラフト1位ルーキー・桜井俊貴も今から計算に入れるのは酷だろう。
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