14年ぶり優勝。ヤクルトの選手たちを動かした「真中イズム」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 大混戦のセ・リーグを制したのは、昨年まで2年連続して最下位に沈んでいたヤクルトだった。真中満監督就任1年目にして優勝を成し遂げた要因は何だったのか? ヤクルトの強さの秘密に迫りたい。

監督就任1年目にしてセ・リーグ優勝を果たした真中監督(写真中央)監督就任1年目にしてセ・リーグ優勝を果たした真中監督(写真中央)

 まずは、今シーズンの主なチーム成績を振り返ってみたい(10月2日現在)。

打率/.258(リーグ1位)
本塁打/106本(リーグ2位)
得点/566(リーグ1位)
防御率/3.27(リーグ4位)
先発防御率/3.64(リーグ5位)
ブルペン防御率/2.61(リーグ1位)

 当然のことながら、優勝チームらしく素晴らしい数字が並んでいる。チーム打率は昨年に続いてトップを記録し、現在、首位打者&最多安打の川端慎吾、本塁打王&盗塁王の山田哲人、打点王の畠山和洋の攻撃力は、相手バッテリーを体力的にも精神的にも追い込んでいった。

 チーム防御率はリーグ4位だが、昨年から1点以上も改善され(昨年は4.62)、ブルペン陣にいたってはリーグトップの結果を残した。特に、秋吉亮、ロマン、オンドルセク、バーネットの4人は、試合終盤に登場して相手打線を意気消沈させた。心細かった先発陣も、館山昌平が奇跡的な復活を果たし、エースの石川雅規も13勝をマーク。また、移籍2年目の山中浩史も6勝を挙げるなど、救世主的な活躍を見せた。

 課題だった守備も強固となり、失策70はリーグ最少。また、134試合でマスクを被った中村悠平はリーグ最少のパスボール4個という堅い守りで投手陣を支え続けた。

 こうした好成績は選手個々の技術的レベルアップに加え、"意識改革"が大きく影響しているように思えてならない。

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