【自転車】チーム結成4年目、TeamUKYOに「今」必要なこと
遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第69回】
「ツール・ド・フランス参戦」という高い目標を掲げるTeamUKYO。今シーズン、国内ロードレース選手権「Jプロツアー」では圧倒的な強さを見せている。チームを率いる片山右京は、結成4年目で見えてきた次なるステップを語った。
Jプロツアー個人部門首位の畑中勇介(左)と全日本選手権を制した窪木一茂(右) 今シーズンのTeamUKYOは前半戦を折り返した段階で、Jプロツアーの個人とチームでともにランキング首位に立っている。さらに、6月に行なわれた全日本選手権ロードレースでも、チームを構成する個々の選手が万全の形で機能し、最後は窪木一茂がトップでゴールしてチャンピオンを獲得した。
自分たちが目指す戦いの場として、サイクルロードレースの本場欧州を見据えている彼らにとって、日本国内でのタイトル奪取は最低限の必要条件と言ってもいいだろう。もちろん、レースは相手のあることなので、毎回自分たちばかりが勝てるわけではない。とはいえ、そこで圧倒的な力量を示すこともできないのであれば、欧州を目指すなどと口にするのはただの大言壮語でしかない。
チーム代表の片山右京自身、「日本国内では勝って、勝って、勝ちまくって、『TeamUKYOさん、もう勘弁してください』とライバルに言われるくらいの強さを見せなければならない」と語っている。
その意味では、現在の彼らはチーム活動開始4年目にしてようやく、今いる場所よりも高いところを目指すという指針がリアリティを持ち始めた、と言えるかもしれない。片山自身がモータースポーツの選手や監督として長い経験を持っているだけに、リザルトがすべてを語るプロスポーツの世界の厳しさは身に沁みてよく理解している。
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著者プロフィール
片山右京 (かたやま・うきょう)
1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。