【自転車】力量の問われる「ツアー・オブ・ジャパン」開幕 (4ページ目)
でも、そうやって動くことのできる組織を作り上げることは、あくまでスタート地点に過ぎなくて、僕たちがその組織で戦っていかなければならない場所――ヨーロッパ、そしてプロコンチネンタルという世界は、まだその先にあるんです。そして、さらにその向こうには、ワールドツアーがある。そう考えると、これはホントに大変な作業だなあ……とつくづく思います。『何を今ごろ言っているんですか?』と言われちゃうかもしれないけどね(笑)」
その意味でも、ツアー・オブ・ジャパンはTeamUKYOが現在いる場所を計るうえで、非常に重要な一戦だ。このレースに参戦するワールドツアーチームのランプレ・メリダ(本拠地・イタリア)は、最強の布陣数名こそ現在ヨーロッパで開催中のジロ・デ・イタリアに投入されているとはいえ、来日する選手たちもまた、世界最高峰を競うチームの一翼を担うトップクラスのライダーたちだ。レースでは、各国のコンチネンタルチームに対してワールドレベルの走りを見せつけることだろう。同様に、プロコンチネンタルチームや強豪コンチネンタル各チームも、自分たちの持ち味を最大限に発揮して存在感を見せつけにくる。
そんな彼らに対して、地元日本のTeamUKYOは、果たしてどれだけ互角に、あるいは互角以上のパフォーマンスを披露できるのか――。
ツアー・オブ・ジャパンは、5月24日の東京ステージでグランドフィナーレを迎える。
(次回に続く)
著者プロフィール
片山右京 (かたやま・うきょう)
1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。
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