【自転車】TeamUKYOの「自立」を急ぐ片山右京の真意

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  プロトンイメージスアジア●写真 photo by Peloton Images Asia

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第52回】

 3月下旬に行なわれたツール・ド・台湾で土井雪広が個人総合6位に食い込み、今シーズン早くも好成績を残したTeamUKYO。目標とする「ツール・ド・フランス参戦」に向けて、今年はどんな戦略でシーズンを戦っていくのか。チームを運営する立場にあるTeamUKYO監督、片山右京に話を聞いた。

(前回コラムはこちら)

ツール・ド・台湾で好成績を残したTeamUKYOツール・ド・台湾で好成績を残したTeamUKYO 片山右京が率いるTeamUKYOの目標は、言うまでもなく自転車ロードレースの最高峰「ツール・ド・フランス」をはじめとするグランツールワンデークラシックレースの参戦など、欧州を舞台にした本格的なレース活動だ。それを実現するためには、まずはプロコンチネンタルチームとして国際自転車競技連合(UCI)に登録される必要がある。

「今の僕たちが戦っているフィールドを考えると、難しいだろうと考える人は多いと思う。でも、その可能性はたとえ小さくても、決してないわけじゃない。一番大事なのは、『けれども、ゼロじゃないんだ』という、そこなんですよ」

 その可能性を見いだすために、チーム結成以来、片山は文字どおり自らの睡眠時間を削って様々な方法を模索し、少しずつ力を蓄えてきた。結成4年目のシーズンを迎えた今年、開幕からここまでのチームの戦績はひとまず順調だ。とはいえ、時間や予算などの資源は無尽蔵にあるわけではない。有限のリソースを有効に配分して活用し、高い目標を実現するために効率的に結果を挙げていかなければならないのだ。

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