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【自転車】TeamUKYOの「自立」を急ぐ片山右京の真意 (3ページ目)

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  プロトンイメージスアジア●写真 photo by Peloton Images Asia

「選手たちがいい状態で戦うための環境作りは、もちろん最優先事項のひとつで、そのために専任のメカニックも加入したし、ナショナルチームで活動していたマッサーも入ってきて、スタッフの戦力はさらに充実してきました。スナイパーが確実に標的を仕留めていくように、我々も着々と準備を進め、目標をひとつずつ達成しているつもりです。『たら・れば』だけを語っていてもしようがないですからね。デッドラインや時間のリミットは必ずやって来るから、3発目、4発目と弾を込めながら、次に向かって進んでいきますよ」

 とはいえ、片山に限らず、サイクルロードレースの普及や認知拡大を目指す人々の様々な活動を困難にしているのは、「この競技が日本ではまだマイナースポーツに過ぎない」という現実だ。自転車は、欧州ではモータースポーツやサッカーなどと並ぶほどの超メジャー競技で、グランツールや各クラシックレースは、たとえば日本の高校野球のような「季節の風物詩」といった側面も持っている。

 そんな日本でも、近年は少しずつこの競技の面白さが浸透するようになり、ひと昔前と比較すれば、一般的なロードレースファンの数は少しずつながら増加傾向にある。また、2020年の東京オリンピックではロードレースがその種目に含まれていることから、五輪ムードの上昇は有形無形に自転車界への追い風になるだろう――という期待感も大きい。しかし、肝要なのは、一過性のブームが終わったとき、いかにその競技を文化全体の中に根付かせるか、という恒久的な人気の定着だ。

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