【自転車】片山右京が語る「TeamUKYOに『No』はない」
遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第53回】
TeamUKYOが目標とする「2017年のツール・ド・フランス参戦」を実現するには、どのような道筋を辿っていかなければならないのか――。チームを率いる片山右京に、その実現性について聞いてみた。すると、実業家としての確固たるビジョンの輪郭が見えてきた。
(前回コラムはこちら)
TeamUKYOの将来をしっかりと見据えて語る片山右京 TeamUKYOが活動を開始した2012年、片山右京は、「5年後の2017年にツール・ド・フランスへ参戦したい」と宣言した。
2017年のグランツール参戦を実現するためには、2016年にはプロコンチネンタルチームとしての活動ができていなければならないだろう。プロコンチネンタルチームは、グランツールをはじめとするワールドツアーレースに無条件で参戦できるわけではなく、主催者推薦などを通じて、レースごとに限られたワイルドカードの出場枠を獲得しなければならないからだ(用語説明ページ「チームカテゴリーによる参加資格」参照)。
つまり、プロコンチネンタルチームは2016年に十分な活動実績を挙げて、各レース主催者が納得するような存在感と戦力を示しておかない限り、2017年のワールドツアーレースの出場枠獲得は見込めない、ということだ。
そして、2016年にプロコンチネンタルチームとして活動を開始するためには、その前年(2015年)に国際自転車競技連合(UCI)に申請書類を提出し、承認されていなければならない。これはすなわち、来年からプロコンチネンタルチームとして活動するための骨格を、今年のうちに作ってしまわなければならない、ということでもある。
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著者プロフィール
片山右京 (かたやま・うきょう)
1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。