【自転車】片山右京が語る「TeamUKYOに『No』はない」 (3ページ目)

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  TOBI●写真 photo by TOBI

 そのために必要なのは、サイクルロードレースチームの運営やスポンサー行為はNPO団体やボランティア活動と違い、きちんとした利潤を生み出すことのできるビジネスである――というスキームを作りあげることだ、と片山は考えている。今年2月の新体制発表会の際に、「大きな山」と片山が表現していたのは、まさにこのことだ。

「ときには嵐の日もあるだろうし、数日間キャンプ地でじっとしてなきゃいけないこともある。だけど、山登りがそうであるのと同じように、問題点や課題をひとつひとつクリアしながら着実に一歩ずつ進むことでしか、目標には到達できない。

 たとえば、富士山のヒルクライムで40分を切って登れる選手は世の中に何人いるんだろう、その選手と交渉できる人はいったいどこにいるんだろう、じゃあその交渉のための費用はいくらくらいかかるんだろう、その費用を稼ぐためには僕がどれくらいテレビや講演の仕事をしなければいけないんだろう(笑)……という、要するにそういうことの積み重ねですよ」

 さらに、この活動の延長線上として、今後はトレイルランやウルトラマラソンの支援もしていきたい、と片山は語る。白山ジオトレイル(※)にはすでに協賛をしており、今後は他のレースや世界で好成績を収めながらもスポンサーの獲得に苦労をしている選手を応援したい、とも話す。

※白山ジオトレイル=石川県白山市にある白山麓の登山道や林道をコースとし、7日間で250キロを走破するレース。

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