【自転車】片山右京「戦略を組み立てられなかった結成1年目」
遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第7回】
TeamUKYOを結成して3年目となった片山右京は、今シーズンも日本国内を中心にレース活動を行ない、順調に好成績を残している。ただ、結成1年目に加入したベテラン選手が語るには、初年度のチームの実力は予想を大きく下回る水準だったという。
チーム結成1年目からTeamUKYOを支えているベテランの狩野智也 ツアー・オブ・ジャパン(アジアツアー/格式[2.1])でチーム総合2位、個人総合4位(ホセ・ビセンテ・トリビオ)という成績を収めたTeamUKYOは、わずか1日の休憩をはさんで関西へ移動。5月29日から6月1日まで、ツール・ド・熊野(和歌山・三重)に参戦した。
世界遺産の熊野古道を舞台に争うこのレースは、アジアツアーの[2.2]という格式にランクされている(格式の見方は前回コラム参照)。また、日本国内チームが競うシリーズ戦「Jプロツアー」の第6戦として年間カレンダーにも組み込まれている。そのため、ツアー・オブ・ジャパンから引き続き参戦する海外チームに加え、日本のJプロツアーを競うチームなど計20チームが4日間のステージレースで激しい戦いを繰り広げた。
最終日の太地半島周回コース(和歌山)を終えて、TeamUKYOの陣営はホセ・ビセンテ・トリビオ(スペイン)が優勝者と僅差の個人総合2位、リカルド・ガルシア(スペイン)が9位という成績で締めくくった。チーム順位でも、TeamUKYOは総合2位。また、このレース結果により、Jプロツアーの選手ランキングは、TeamUKYOのガルシアが総合首位の座を奪取し、ポイントリーダーの証であるルビーレッドジャージを獲得した。
このJプロツアーやUCIアジアツアーが、現状でのTeanUKYOがレース活動を行なっている場所だ。
1 / 3
著者プロフィール
片山右京 (かたやま・うきょう)
1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。