【新車のツボ174】トヨタ GRヤリス。世界で唯一の公道を走るWRCカー (2ページ目)
しかし、世のクルマオタクたちのGRヤリスへの熱狂ぶりを見れば、ホモロゲーションがどうのこうの......という細かいツッコミはもはや二の次である。世界的に見ても、こんなマニアックなツボ満載のコンパクトカーはほかに存在しないからだ。
GRヤリスの走りは、とにかく痛快そのものだ。その源となるエンジン1.6リッターは3気筒ターボである。つい最近まで軽自動車専用的なイメージがあった3気筒だが、今では1.5リッター級の3気筒もめずらしくない。しかし、さすがに300ps近いハイパワーの3気筒は、世界的にも類例がほとんどない。
トヨタによれば、3気筒は一般的な4気筒に対して振動面では不利だが、1気筒あたりの容積が大きいので大トルクを出しやすい。さらに専門的にいうと"排気干渉"が小さいので性能も上げやすい。しかも、排ガス流量が多くてターボチャージャーとの相性もよく、今回のようなパワー重視の大口径シングルターボでも応答性を高めやすいのだそうだ。
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