【新車のツボ160】ジープ・ラングラー。元祖の末裔は古くて新しい (2ページ目)
といっても、新旧ラングラーは、少なくとも写真ではまるで見分けがつかないくらいソックリ。しかも、全身ほぼ完全新開発なのに、エンジン縦置きの後輪駆動ベースで直結可能な4WDシステム、下回りだけが独立した頑強なハシゴ型フレーム構造、前後リジッド形式のサスペンション、悪路を走ってもハンドルが取られにくいボールナット式ステアリング......といった中身まで、昔ながらの古典的な手法をそのまま踏襲する。この「新しいのに、古い!?」というツボは、奇しくもラングラーとほぼ同時期に刷新されたスズキ・ジムニー(第150回参照)によく似る。
ラングラーの売れ筋は、写真の"アンリミテッド"と名づけられたタイプである。これはロングボディに4ドアの箱型ハードトップを備えており、ぱっと見や実際の使い勝手は普通のステーションワゴンタイプSUVに近い。しかし、多目的軍用車だった元祖ジープの正統な末裔たるラングラーは、トップもドアもないフルオープン状態が本来の姿。このアンリミテッドもハードトップとドアを取り去ると、下写真のような"あられもない"姿になる(笑)。
ただ、実際にこの姿にするには、それなりの人手と外した部品の置き場が必要だけど。
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