2019.10.31

【新車のツボ160】ジープ・ラングラー。
元祖の末裔は古くて新しい

  • 佐野弘宗●取材・文・写真
  • text & photo by Sano Hiromune

 今をときめくSUVも、起源は不整地用の四輪駆動車であり、その元祖は第二次世界大戦でアメリカ軍用車として大活躍したジープである。ただ、元祖ジープも当初の正式名称は、ウィリスオーバーランドMBもしくはフォードGPW(戦時中は互換性のあるクルマを、ウィリスオーバーランドとフォードの2社で生産していた)といい、ジープは非公式の愛称にすぎなかった。その語源については、”多目的=ゼネラルパーパス=General Purpose”を意味するミリタリーな識別名の頭文字(GP)の読みがなまったとか、漫画『ポパイ』に登場する動物の名前から取った……などの諸説があるが、定かではない。

 しかし、戦後になってウィリスオーバーランド社がジープ(=JEEP)を商標登録して、それは正式な商品名となった。その後に同社には何度かの買収劇が繰り返されて、1987年に日本でもおなじみの米クライスラー社の一部門となった。さらに時は流れて2014年、クライスラーは伊フィアットグループに経営統合されて、現在のジープはFCA(フィアットクライスラーオートモビルズ)傘下にある。

 それはともかく、軍用車にはじまった元祖ジープの姿カタチや走破能力を、もっとも忠実に現代に受け継いでいるのがラングラーである。ラングラーは以前にも当連載で取り上げたことがある(第40回参照)が、今回のラングラーは約11年ぶりのフルモデルチェンジを受けたばかりの最新型となる。