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【新車のツボ135】レクサスLC 、
日本の味わいで世界と勝負するクーペ (3ページ目)

  • 佐野弘宗●文 text by Sano Hiromune photo by LEXUS

 こういうオーラは欧米のクルマにはない。レクサスの担当者も「LCは世界でいちばん京都に似合うクーペ」と自慢顔だが、ひねくれ者のワタシも今回だけは全面的に同意する。

 デザインの良し悪しはともかく、こういう繊細な仕上げこそレクサス......というか、日本車というか、いや日本の工業製品すべてに共通する世界に誇れるツボというものだ。

 そんなLCでも、もちろんツッコミどころがないわけではない。

 たとえば、エンジンやサスペンションの味つけを、状況に応じて(マイルドからハードまで)5段階から選べるモード切替が備わっているが、正直いうと、LCはどのモードを選んでも思ったほど変わらない。いちばんマイルドにしてもパリッと走るし、いちばんハードにしても乗り心地は悪くない。

 これは技術的には素晴らしいが、いささかツマらないのも事実。先達の欧米高級ブランドは、柔らかいモードでは「なんじゃこりゃ!?」と笑っちゃうくらいグニャグニャにしたり、あるいはハード側では身体が心配になるくらいゴキゴキに硬くなったり......と、確信犯的に乗り手を楽しませようするケースが多い。

 また、内装の金属調メッキ部品もプロの目で見ると驚くべき見事な仕上げだそうだが、われわれシロートは仕上げが多少アラっぽくても、本物の金属部品のほうに、ありがたいオーラを感じてしまうのも事実だ。

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