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【新車のツボ134】日産マーチボレロA30 、
街で見かけたら拝む......くらい幻の名車

  • 佐野弘宗●文・撮影 text&photo by Sano Hiromune

 この一種異様なイデタチのクルマは、おなじみの日産マーチがベース。正確には、そのマーチの顔つきを変えた純正カスタマイズカーの"マーチボレロ"である。マーチボレロ自体は、現在も日産の販売店で普通に買える。

 ただ、この"A30"は普通のマーチボレロではない。普通のマーチの3倍近い(!)価格で、一部のファンの間では今後"幻の名車"として語り継がれていくであろう特別なクルマである。その限定数はわずか30台!!

 A30をつくったのは、神奈川県は茅ヶ崎市に本拠をかまえる日産の架装子会社、オーテックジャパン(以下オーテック)である。同社の本業で一般的に知られるのは、日産車をベースにした特別仕様車や福祉車。前記のマーチボレロや第75回で紹介したマーチ・ニスモもオーテック製である。ほかにも、冷凍車、中継車、高規格救急車......など日産車ベースの特装車を多く手がけるオーテックは、そういう高度な"改造"を可能とする生産施設と、あらゆる注文に応える腕っこきの職人がいる。

 歴史的に日産純正マニアックスポーツ車も多く手がけてきたオーテックには、熱狂的なファンも少なくない。A30はそんなオーテック創立30周年記念して、彼らのノウハウと職人技とをフル投入した歴史上でもっともスペシャルなモデルである。A30という車名は"オーテック=AUTECの30周年"という意味で、30台という限定数もそれにちなむ。

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著者プロフィール

  • 佐野弘宗

    佐野弘宗 (さの・ひろむね)

    1968年生まれ。新潟県出身。自動車評論家。上智大学を卒業後、㈱ネコ・パブリッシングに入社。『Car MAGAZINE』編集部を経て、フリーに。現在、『Car MAGAZINE』『モーターファン別冊』『ENGINE』『週刊プレイボーイ』『web CG』など、専門誌・一般紙・WEBを問わず幅広く活躍中。http://monkey-pro.com/

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