中村俊輔が自ら学び考えた小学生時代の練習法と仲間との思い出。親は「手を掛けないで目を掛ける」ことが重要 (2ページ目)

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  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

――12月26日から「JFA第46回全日本U-12サッカー選手権大会」が始まります。当時は「全日本少年サッカー大会」という名称でした。予選を含めその記憶はありますか。

 5~6年生の時の大会は鮮明に記憶しています。当時からあこがれの大会で、よみうりランドで行なう全国大会への出場を目標にしていました。僕たちのチームは結構強くて、横浜市で1位か2位だったと思うんですけど、まさかの県予選2回戦負け。5年生の時も6年生の時も横浜市以外のチームと対戦したんですけど、やってみたら結構強くてあっさり負けてしまいました。

――当時、仲間と一緒に頑張った記憶はありますか。

 その県予選も含め、どの試合でも仲間と協力して頑張っていました。練習や合宿が厳しかったので、今思うと、友達というよりも戦友に近かったですね。苦しい時にはみんな口数が減ってしまうんですけど、隣にいるチームメイトの顔を見ながら、お互い頑張ろうという感じでした。絆というか、濃い関係になっていたこともあって、13人いたチームメイトは最後まで誰も辞めなかったですね。

――今の小学生年代のサッカー少年・少女が身につけておくべきことはどんなことでしょうか。

 自分で考える力だと思います。僕が小学生時代は、今ほど情報がなかったので、本を買って読んだり、サッカー教室に行ったりして学んでいました。いつもうまくなるためにどうすればいいかと考えて練習していました。たとえば、足の筋力をつけるために、水圧のかかるお風呂の中でキックの練習をしたり、わざとひと周り大きい5号球でボールを蹴ったり、小さいリフティングボールでひたすらリフティングしたり、壁当てをやったりしていました。これをやったらこんな効果があるんじゃないかなと、トライ&エラーを繰り返すことが大事なんじゃないかと思います。
小学生時代を振り返る中村氏。今でも当時のチームメイトと交流があるという小学生時代を振り返る中村氏。今でも当時のチームメイトと交流があるという

――小学生年代の子どもを持つ親は、子どもの成長をサポートするために、どんな意識を持つべきでしょうか。

 手を掛けないで目を掛けることですね。事細かく口出しすることはよくないのかなと思っていて、基本的には自分のことは自分でやらせるべきだと思います。たとえばサッカーに行くためのウエアや水筒の準備をするとか、スパイクの手入れをするとか、これはサッカーだけに限らず、すべての子どもたちにとって大事なことだと思っています。普段の生活から自主性を持たせ、自立心を養わせることは、親の役目だと思います。

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