サッカー界の「第3のブランド」に。
GMが明かすニューバランスの戦略 (3ページ目)
──あなたのような方々には、その喜びもひとしおだったことでしょう。
「本当に信じられないような経験でした。シーズンが進んでいっても、『レスターが優勝? ありえないよ』という人がほとんどでした。1位のまま最後の5試合ぐらいまで来た時も、サポーターたちでさえ、『ノーチャンスだよ』と疑っていたくらいですから。それが現実になるとは」
──あのレスターの偉業には我々日本人も注目していました。何しろ、岡崎慎司もあの優勝に大きく貢献していましたから。
「そうですね。岡崎はとても興味深い選手です。個人的な意見かもしれませんが、彼はスピードやパワー、スキルに、特別に秀でているわけではないですよね。ただし、ハードワークとチームスピリットにおいて、彼の右に出るものはあまりいない。それから、ジェイミー・バーディーとの連係は文字通りパーフェクトでした。もしあの年のレスターを体現した選手をひとりだけ挙げろと言われれば、それは間違いなく岡崎慎司だったと私は思います。
ビッグクラブのスター選手たちに比べると、明らかに能力の劣る選手たちでも、決してあきらめず、仲間と団結すれば、自分たちより大きな相手を倒すことができる。それを教えてくれたのが、レスターであり、岡崎でした。あれから2年が経っても、これほど鮮明に思い出し、こんなに熱く語ってしまうのですから、本当に素晴らしい経験だったということがわかってもらえるでしょう(笑)」
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