2017.03.13

今季、心機一転を図る
ゴルファー有村智恵の「現在・過去・未来」

  • 津金一郎●文 text by Tsugane Ichiro 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

自分のゴルフ人生を振り返ってくれた「せっかく国内ツアーで活躍できるようになったのに、それを捨ててアメリカで1から始めるなんて」という声もありました。でも、せっかくプロゴルファーになり、海外でもツアーが行われていて、自分が行こうと思えば行ける状況があるのに、世界を見ずにゴルフ人生が終えるのはイヤだという気持ちが強まって決めました。

 2013年からアメリカに行き、最初の2年はトップツアーを回りましたが、壁に当たってシード権を失い、2015年からはアメリカ下部ツアー『シメトラツアー』を戦いました。結果だけを見ればアメリカ挑戦は失敗だったかもしれません。でも、私はこの挑戦で経験したすべてが私を人間的に成長させてくれたと思っています。

 日本にいればボールを打つことだけに専念できる環境があったけど、アメリカツアーではそういうわけにはいきません。移動やホテルの手配をはじめ、全部を自分でやるしかない。しかも、英語。最初はハードルが高くて苦労しましたけど、カタコトの英語力でも通じるとどんどん楽しくなっていきましたね。そうやって、いろんな人とコミュニケーションを取って、助けてもらったり、笑ったりするなかで、ゴルフ以外のいろんな体験を重ねることで視野が広がり、自分のなかにゴルフに対する新たな気持ちを見つけることもできました。

 ゴルフへの考え方や距離感を再発見できたのは、下部ツアーを経験したことが大きかったですね。下部ツアーの賞金は、トップツアーに比べると10分の1から20分の1。プロキャディを雇うと下部ツアーで毎試合トップ3に入らないと赤字になってしまうので、下部ツアーでは基本的に現地でボランティア・キャディを探して、試合当日に初めて顔合わせして一緒にラウンドしていました。