平成の名捕手・古田敦也氏が語った「マスク越しに見るプロ野球の世界」
前回、元巨人の鈴木尚広氏が自らの経験をもとに"盗塁論"をプレゼンテーションした、スポーツを伝える"言葉"を探求するライブ・イベント『ALE14(エイル・フォーティーン)』。今回(2月27日に東京・恵比寿のアクトスクエアで開催)は"球界の名捕手"として現役時代に数々の輝かしい実績を残した古田敦也氏がプレゼンターを務め、野球に詳しくない人や未経験者でも押さえておくと楽しめる、そして「お前よくわかっているな」と周囲をうならせ、"いい指導者にもなれる"というポイントを自らの実体験を交えながら語った。
未経験者でも楽しめる、いい指導者になれる「古田流」チェックポイント
キャッチャーの古田氏が打者を見るときのポイントとして挙げたのが、「脇、構え、ハの字」の3点。
「脇」に関してだが、これからWBCでも多く目にするであろう北中米の選手は、たとえば右打者なら右の脇が開いている選手が多い。子どもの頃から「両脇は締めて打て」と言われる日本では「ダメ」と言われていた打ち方だ。ただ、それは求めているものの違いで、開けているからダメといういうわけではないという。
「どうせ打つ瞬間は締めるのだから、最初は開いている方が、力が出るという考えなんです。そうした打ち方の選手を見ると、強い打球を打つために脇が開いているんだなと、その打者が求めているものがわかります」
そして「構え」については、日本では少数派であるが、バットを寝かした構えの選手は高めの球に対応しやすい傾向があるそうだ。また、足を「ハの字」にしている打者は、逆方向を意識しているケースが多いという。
ほかにもバットを持っての実演・形態模写を行ないながら、選手の狙いがわかるというポイントが解説された。そして、この「脇・構え・ハの字」こそが"いい指導者になる"ためのポイントだと語った。
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