香川真司を支える観客の「カガワコール」。難敵ポルトにまず先勝

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 ヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦。ドルトムントが2−0でポルトを下し、ホームで先勝した。

ヨーロッパリーグ、ポルト戦に先発した香川真司ヨーロッパリーグ、ポルト戦に先発した香川真司 チャンピオンズリーグで決勝トーナメント進出を逃してELに回ったポルトは、実力はありながらもモチベーションは低い。そんな相手に復活を期すドルトムントが勝ったという構図である。だがドルトムントにとってはサプライズだらけの一戦だった。

 まずは何と言ってもヌリ・シャヒンの先発復帰である。15年2月28日に行なわれたシャルケ戦で負傷して以来、実に1年ぶりの復帰がいきなりのEL先発である。ギュンドアンの体調不良という理由があるにせよ、大きな驚きだった。トーマス・トゥヘル監督が「練習試合を組むよ」と、復帰に向けたステップを用意していることを本人に伝えたところ「いや、いらないよ。準備はできている」というやりとりがあったという。「うまくいってよかった」とトゥヘルは試合後の会見で安堵の表情を浮かべた。

 そして次に驚かされたのは3-4-3という布陣である。今季、ドルトムントは基本、4-3-3を採用しているが、この日は1トップに2シャドウという形で、引いた相手を崩す戦いを選択した。右MFのミキタリアンはともかく、本来左SBのマルセル・シュメルツァーが左MFでプレーしたのは新鮮だった。

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