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馬淵優佳が新たなスタートに立つ 実感した指導の難しさと選手育成の決意「全国優勝できる選手を育てたい」 (2ページ目)

  • text by Sportiva

【指導の難しさを実感】

――馬淵さんは昨年秋頃からここで飛込の指導をされていますが、これまでの半年間はどのような指導内容だったのでしょうか。

 今までは育成クラスを担当していて、子供たちに対して飛込の楽しさを伝える指導をしてきました。自分は3歳から飛込をやってきて、これまでチームを持ってしっかりと教えることがなかったので、気づくことがたくさんありました。そのなかで感じたのは教えることはすごく難しいなということです。

 シンプルに後ろにジャンプして入るという技をやらせようとしたら、後ろに飛べない子がいるんです。飛込って飛込台から足を半分出すので、必然的につま先に体重を乗せないと後ろに落ちちゃうんですね。まずそれができなくてバランスを崩しちゃう。それでつま先に体重を乗せることができるようになったら、今度はつま先の力でグッと後ろに飛ぶ。それができない。新しい発見でした。じゃあできない子にどうやってできるようにさせるのか、すごく考えました。だから陸で後ろに飛ぶときの筋肉を覚えてもらうようにしました。

 ただ、うまくなってもらうためにいろんな指示を出すんですが、いっぱい出したらいけないんだなというのも学びました。指示を出しすぎるとこんがらがるんですよね。だからひとつかふたつまで。それ以上出すと失敗します。ここもここも直して、と言いたくなるんですけどね。

――4月から大きく変わったことはありますか。

 練習時間と、練習の質や内容になります。今までは月・水・土にそれぞれ1時間半の練習をやっていましたが、今後は時間も徐々に長くしていって、日にちも増やす計画にしています。これまでは楽しさを伝えることに焦点を当ててやっていたんですが、ここから先は、とにかく全国大会を目指すところが目標になりますので、私自身もよりパワーを入れて、コーチングしないといけないと思っています。飛込に向き合う時間が確実に増えていきますね。

――今後はよりレベルの高い子供たちを指導することになりますが、厳しい指導になるのでしょうか。

 厳しくはなると思いますが、どうだろう、怒っちゃうかな? でも時代は変わっていて、昔みたいな指導をしても、うまくなるわけじゃないと思っています。自分で考えられるように、全部答えを言うんじゃなくて、自分から取り組めるようにしたいですね。

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