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日本水泳陣のパリ五輪メダル獲得は危機的状況 「大黒柱」不在でチーム意識のゆるみも感じた (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kishimoto Tsutomu/PICSPORT

 しかし、全体としては「かつての北島康介のような、大黒柱となる絶対的存在がいなかった」ということ。それが各選手のチーム意識をゆるめていたようにも感じる。

 本来ならば、その役割を池江璃花子や松元克央(2019年200m自由形銀メダル獲得)などが務めていたはずだった。だが池江が復帰途中であることや、松元は東京五輪失敗からの調子落ちでその役割を果たすのは難しい状況だ。

 ただ今回、本多が400m個人メドレーで予選落ちをしたものの、精神的にも追い込まれた苦しい状況のなか、200mバタフライで3位に入り、東京五輪以降の世界大会連続メダルを獲得した。

「前回の世界選手権までは勢いで取れたメダルだったと思いますが、今回は違うメダルになった」という本多がそれを自信に変えて今後一皮むければ、明るい性格だけにチームリーダーにもなれそうだ。

その本多の成長や、池江や松元が復活するなどでチームに芯ができ、戦う集団になっていくことがパリ五輪へ向けた必須条件になってくる。

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