「選考会前に寝坊」と大物感が漂う水泳の新星・成田実生 個人メドレーで2冠達成も本番前は「不安になっていた」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 二宮渉●撮影 photo by Nonomiya Wataru

 昨年は世界ジュニアで個人メドレー2種目と4×100mリレーで優勝して3冠を獲得した成田だが、代表に選ばれたアジア大会は延期になったため、シニアの大舞台は経験できなかった。今回の優勝記録を昨年の世界選手権と比較すれば、400mは4位相当で、200mは準決勝9位相当のタイムだ。

 だが今年は、昨年の世界選手権400mで史上最年少優勝記録を10年ぶりに更新した同い年のサマー・マッキントッシュ(カナダ)が、4月1日に4分25秒87の世界記録を樹立し、200mでも世界歴代4位の2分06秒89を出している。五輪前年の世界選手権だけに、レベルが上がることも予想されている。

 そんななかでの挑戦に成田は、「14歳で東京五輪にも出たマッキントッシュ選手とやっと同じ舞台に立つことができるので。相手は世界記録も出しているので、まだまだだなと思うけど、私もベストを出して少しでも近づけるようにしていきたいと思います」と話す。

 彼女にとって初めての世界選手権は、シニアトップの洗礼を浴びる場であるとともに、次のための様々なことを学ぶ場にもなるはずだ。

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