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世界水泳、日本勢はいまだメダルゼロ。
残りの種目でリベンジなるか (3ページ目)

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi
  • photo by Kyodo News

 レデッキーが2013年に世界水泳で初めてこの種目で勝ってから、彼女はほとんど誰かに先行されるレースをしていない。200mまでティットマスに先行を許し、その動揺からか、200~250mで一気に仕掛け、リードを奪いにかかったが、そこでのペースアップが響いて後半失速してしまった。

 決して絶好調ではなかったレデッキーだが、ティットマスのこの勝利を見て、勝つ選手というのは「自ら動き、レースを作る選手だ」と改めて感じた。

 ふたつ目は女子100mバタフライ決勝だ。この種目のリオデジャネイロ五輪金メダリストで世界記録保持者、世界水泳3連覇中のサラ・ショーストロムがカナダのマーガレット・マクニールに敗れた。マクニールのタイムは55秒83で、女子で3人目となる55秒台で泳いだ。

 マクニールは後半の50mを29秒06という驚異的なタイムで泳ぎ切った。このタイムは決勝に出場した他の7名の選手に、後半の50mだけで約1秒差をつけている。とくにターンからドルフィンキック、浮き上がりまでの15mが素晴らしかった。

 サラは池江も目標にしていて、勝ちたいと考えている選手だ。そのサラに池江と同じ2000年生まれのマクニールが勝った。それだけでも池江にとっては大きな刺激、励みになったと思う。

 この女子100mバタフライの表彰式では、優勝したマクニール、2位のサラ、3位で、池江が2度合同合宿を行なっているオーストラリアのエマ・マキーオンが、手のひらに池江へのメッセージを書き込み、エールを送った。国境を越え、ライバルという域も越えて、互いに認め合う関係性に、あらためてスポーツのすばらしさを感じたシーンだった。

 世界水泳の競泳はまだ2日間を終えたばかり。以降も楽しみなレースが続く。

 23日の決勝種目は、入江陵介の男子100m背泳ぎ決勝、青木玲緒樹の女子100m平泳ぎ決勝、松本克央の男子200m自由形決勝が行なわれ、それぞれメダルの期待がかかる。

 さらに男子200mバタフライ予選には、いよいよキャプテンの瀬戸大也が登場する。

 日本の皆さんも是非熱い声援を送っていただきたい。

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