松元克央が世界水泳で銀メダル。
急成長の要因はコーチとの二人三脚
韓国の光州で行なわれている世界水泳選手権大会。競泳3日目の男子200m自由形決勝で、松元克央(かつひろ/セントラルスポーツ)が日本新記録で銀メダルを獲得し、この種目では、五輪、世界選手権を通して日本人初となる快挙を果たした。
日本記録を更新して、銀メダルを獲得する快挙を成し遂げた松元克央 松元のメダル獲得が現実的に見えてきたのは、決勝前日に行なわれた準決勝のレースからだった。準決勝第2組で登場した松元は、ラスト50mで盛り返すと、自己ベスト(1分45秒56)の2位タイでゴール。全体3位タイの記録で決勝進出を決めた。
「メダル獲得のためには、日本新を出さなければ無理だと思うので、自分のレースをして記録もメダルもついてくるようにできれば......。ラスト50mで追い上げて、ワンチャンスのメダルを狙います」
決勝に向けてこう意気込んだ松元は、1988年ソウル五輪で金メダルの鈴木大地を指導した実績を持つ鈴木陽二コーチの指導を2017シーズン後半から受けている。
「身長は186㎝で日本人としたら大きい方だし、筋肉も大きいので外国の選手と比べても引けを取らない。それに一番いいのは練習から逃げないことです」と鈴木コーチも評価する逸材。初代表だった前回、17年の世界選手権では200m自由形で予選27位に終わっているが、そこからの2年で急成長を遂げた。
そのきっかけは、16年リオデジャネイロ五輪で日本が銅メダルを獲得した4×200mリレーだった。自由形の選手として日本代表になるために、まずはリレーで代表になることが近道だと考えた松元は、17年日本選手権の200mで3位に入り、世界選手権のリレー代表に選ばれて、ひとつ目の目標を達成した。
さらに、その世界選手権では、萩野公介(ブリヂストン)が200m自由形の個人種目を回避したことで、出場の機会を得た。結果は予選敗退だったが、決勝のレースを観客席から見ていると、「自分もこの場に立ちたい」という、次なる目標が湧いてきた。
「2年前(世界選手権の経験)があったからこそ、今の自分があると思います」
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