ビビらない魂が不発の瀬戸大也。
それでも低調続きの日本選手権を救う (3ページ目)
こう話していた瀬戸だったが、翌日の決勝では最初の50mから準決勝より遅い入りになり、100m折り返しは54秒73で4位と出遅れた。だがそこからの泳ぎを「久しぶりの59秒台の泳ぎ」というように59秒71でカバーし、1分54秒44でゴール。今大会の派遣Ⅰ突破第1号となった。
「今回のテーマは『ビビらない魂』だったけど、それをできなかったのは残念です。調子がいいという感触もあったので、落ち着いて速く入れたらいいと思っていましたが、バタフライの場合は力みが出るとちょこちょこした泳ぎになってしまうし、本当にそこのさじ加減が大事なので。今日はちょっと落ち着きすぎてしまいました」
世界選手権で金メダルを争うには、前半の100mを53秒台から54秒くらいで入る必要がある。そんな積極的な入りをして自己ベストの1分54秒03を更新したかったというのが正直な気持ちだ。それができなかったことに悔いは残るが、実力通りの代表内定で悪い流れの中に杭を打ち込んだ。
25mプールで泳ぐ、昨年12月の世界短水路選手権の200mバタフライでは、世界記録を樹立した瀬戸だが、「短水路はうまく泳げるのですが、そのラスト50mと長水路(50m)のラストのキツさがバタフライの場合は桁違いなので、そこで前半を抑えてしまう」と言う。
「以前は泳げば54秒台前半がポンポン出ていましたが、やっぱり年齢が上がって筋肉がついてくると体の使い方やバテ具合も変わってくると思う。去年いい記録を出した後輩たちが苦しんでいるのもそれかもしれません。僕自身もバタフライに関しては昨年のパンパシとアジア大会で連覇は果たしたけど、記録的には足踏みをしているので。本当にきつい種目ばかり選んでいると思うけど、だからこそ世界とも戦えるのだと思うので、まずは1分54秒台の壁を超えたいですね。53秒台を出せばポンポンと行くと思うので、そのためにもビビらないで前半から行けるようにしたいです。明日の200m個人メドレーは前半から積極的に行って自己ベストを出したい」
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