ビビらない魂が不発の瀬戸大也。
それでも低調続きの日本選手権を救う (2ページ目)
今大会は、どちらかと言えば悪い流れになっている。そんな状況を食い止めてくれるだろうという期待に応えてくれたのが、男子200mバタフライの瀬戸大也(ANA)だった。
男子200mバタフライは今回、レベルの高い代表争いが期待されていた種目だ。昨季の各選手のベストタイムを見れば幌村尚(早大)の1分53秒79を筆頭に、瀬戸は1分54秒34で、矢島優也(全日空商事)が1分54秒72、坂井聖人(セイコー)が1分55秒06と続き、派遣Ⅱの1分55秒55どころか、派遣Ⅰの1分54秒47を上回る戦いは必至と見られていた。
だが4日の準決勝では、悪い流れを感じずにはいられなかった。準決勝第1組で幌村は1分57秒14の3位。坂井に至っては1分57秒28の5位と、決勝進出を逃しかねない低レベルなレースになっていた。そんな状況の中、第2組で登場した瀬戸は、最初から先頭に出て100mを54秒67で折り返すと2位に2秒以上の大差をつける1分55秒07で泳いで唯一存在感を見せつけた。
「前半を速く入って、後半はできるだけ粘るという想定で積極的にいった。ラスト50mはかなりしんどくなりましたが、ここで派遣標準を切れたのは満足です。ただ、世界を見れば前半を53秒台くらいで入らなければいけないので、それができなかったのは心残りです。
松田丈志さんや寺川綾さんなど強い選手たちは、選考会であっても代表権獲得にビビらず、いろんなことに挑戦していると感じていました。自分もそういう選手になりたいので、明日はそういうレースができればいいと思います」
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