ビビらない魂が不発の瀬戸大也。それでも低調続きの日本選手権を救う
今年は7日間開催になった日本選手権水泳競技大会。近年、日本代表チームにも勢いをつけてきた池江璃花子(ルネサンス)の白血病による戦線離脱に加え、12年ロンドン五輪以降はチームの主柱ともなっていた萩野公介(ブリヂストン)が大会直前になって「今は水泳に向き合える状態ではない」と欠場を表明。そのふたりがいなくなった影響が、これほどまでに大きいのかと改めて認識する流れになった。
低調な流れの中でもしっかりと結果を残した瀬戸大也 大会3日目までで、日本水泳連盟が設定した、世界選手権代表内定を獲得できる派遣標準記録を個人で突破したのは3名のみ。2日目の女子200m個人メドレー優勝の大橋悠依(イトマン東進)と、2位の大本里佳(イトマン)に加え、3日目の男子200m自由形の松本克央(セントラルスポーツ)。
3人がともに突破したのは8位想定の派遣Iの記録ではなく、16位想定の派遣Ⅱ。世界大会で結果を出している男女100m平泳ぎを含めてのこの結果は、ここ最近の日本の好調さから見ても想定外の状況だった。
さらに2日目の100m背泳ぎ準決勝では、ベテランの入江陵介(イトマン東進)が、これまでより進化した泳ぎで余裕を持って53秒32のタイムで派遣Ⅱを突破したものの、翌日の決勝では「ちょっと焦ってしまった」と、53秒53で派遣標準突破を逃すまさかの結果になっていた。
どんな個人競技でも世界大会の戦いでは、いい流れに乗って予想以上の結果を出せることもあれば、その逆も起こる。悪い流れになった時にその流れを断ち切ることができてこそ、本物の力を持った選手だと言えるだろう。
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