【水泳】萩野公介、400m個人メドレー金で雪辱を果たす (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 実力的に見れば、昨年の7月に行なわれた世界選手権の最終種目で、多種目に出た疲労の蓄積さえなければ優勝できる力は持っていた。その意味でも彼にとっては1年間待った金メダルだと言える。この優勝は、彼の心の片隅に残っていた小さなわだかまりを吹き飛ばすものでもあり、個人メドレーを軸にして多種目に挑戦するマルチスイマーとしての一歩を確実に踏み出した証とも言えるだろう。

 ダブル表彰台が期待された瀬戸は後半に失速して5位だったが、ほかの種目では男子100m平泳ぎで大器と期待されている小関也朱篤(こせき やすひろ)が59秒62で優勝し、女子100m平泳ぎでは渡部香生子が銀メダルを獲得した。

 さらに800m自由形リレーでは、第1泳者の萩野がアメリカを抑えてトップでつなぎ、アメリカとラストまで競り合ったが、惜しくも2位で銀メダルとなった。

 しかし、萩野は疲れている中でも結果を出せたことをポジティブにとらえ、「個人メドレーの30分後にあった800m自由形リレーでも意外といいタイムで泳ぐことが出来たから、一番厳しいスケジュールの(400m自由形と200m背泳ぎ)3日目に向けても弾みがついたと思います」と語った。

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