【駅伝】東大大学院在学中の「二刀流」ルーキーも加入 創部2年目のMABP、ニューイヤー駅伝連続出場に向けた選手たちの現在地 (4ページ目)
【期待のルーキーは東大大学院に在学中】
中川、山平、栗原以外では、ルーキーの秋吉拓真の走りが目を引いた。秋吉は東大時代に関東学生連合の一員として2年連続で箱根駅伝を走った。特に今年は7区で区間4位相当の激走を見せ、注目を集めた存在だ。
現在は東大大学院で学びながら陸上を続ける二刀流だ。勉強との両立による忙しさを言い訳にせず、練習では果敢に新しい取り組みに挑戦し、レースでも気持ちのこもった走りでメンバーに刺激を与えている。
今回のホクレン千歳大会は、直前の合宿で調子を上げて臨んだが、PBに及ばない13分56秒06だった。レース後は悔しそうな表情を見せていたが、スタッフやチームメイトからの「練習への姿勢がいいし、強い」という高い評価は変わらない。シーズン前半は新たな環境への適応で、見えない疲労もたまっていたはず。夏合宿できっちり走りこめれば、チームの主力としての活躍を期待できるだろう。
同じ新卒組の鈴木天智(東海大卒)は、3月の合宿中に故障してチームを離脱した。だが、そこから無事に回復し、ホクレン網走大会が復帰レースになった。神野プレイングマネージャーは「夏合宿でしっかり状態を上げていければ、駅伝に絡める」と期待をかけるが、どこまで上げていけるか。
中川と同じ國學院大出身の板垣俊佑は、網走大会の5000mで14分09秒53と、13分台に届かなかった。昨年も同大会で14分50秒27とまったく振るわず、今年こそはという気持ちで臨んだが、神野プレイングマネージャーいわく「まだ甘いところがある」と厳しい表情だった。
その他では、エース格の堀尾謙介は故障で離脱中。復帰には少し時間を要するとのことで、ニューイヤー駅伝までに戻ってこられるかどうか。同じく主力の鬼塚翔太は、ホクレンを目指さず、5週間のオフを挟んで7月上旬から動きはじめたところだ。夏合宿にはフレッシュな体と気持ちで臨めるだろう。もとよりレベルが高い選手なので、東日本実業団駅伝にはぴったりとコンディションを合わせてくるはずだ。
キャプテンの木付琳は、網走大会で5000mではなく10000mにトライした。秋は駅伝にピーキングを合わせることになるので、10000mのタイムを追うのが難しくなる。そのために今回は10000mに出場し、27分台を目指すペースにトライした。前半の5000mまでを14分フラットで走れていたが、最終的に29分04秒63と後半は苦しい展開になった。ただ、4月の日体大記録会の5000mではPBを更新している。状態は決して悪くなさそうだ。
トラックシーズンでPBを出した選手が複数いるのは好材料だが、選手層という点ではまだまだ不安を残す。ここから続く夏合宿は、秋の駅伝シーズンを占う大事な時間になる。
著者プロフィール
佐藤俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。
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