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初マラソンで好走し、MGC出場権を一発で獲得した新星・合田椋が意識する「トラックのスピードを、いかにマラソンに生かすか」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Shun Sato

【パリ五輪で6位入賞した先輩との関係性】

 また、前回のMGCでは、拓大の2学年先輩である赤﨑暁(クラフティア)が2位に入り、パリ五輪のチケットを手に入れた(パリ五輪では6位入賞)。同じ福岡県に拠点を置く実業団で活動する赤﨑は、合田にとってどういう存在なのだろうか。

「赤﨑さんとはプライベートでも親しくさせてもらっていて、オリンピックという大舞台で活躍されたのは、すごく刺激になっています。赤﨑さんは努力家ですし、こういうふうに練習を組んだらいいとか、いろいろなことを教えてもらっています。赤﨑さん(の競技への真摯な取り組み)を見ていると、自分も負けてられないなと思います」

 その赤﨑は、スピードの強化をベースにマラソン練習を重ね、結果を出してきた選手。タイプ的に合田と似ているところがありそうだが、本人はどう思っているのだろうか。

「赤﨑さんは、自分のロールモデルといいますか、すごく参考にさせてもらっています。トラックのスピードをうまくマラソンに生かせているので、自分は赤﨑さんのやり方でやっていけたらと思っています」

 MGCではその赤﨑、そして古賀、そのほか多くの有力選手と戦うことになる。

「赤﨑さんも古賀さんも高い壁ですが、(オリンピックに行くためには)勝たないといけないので、そこはシビアにやっていこうと思います。ほかにも黒田(朝日)君(GMOインターネットグループ)、大迫(傑/リーニン)さんといった強い選手もいますので、しっかり準備していかないといけないですね」

 合田はまず今夏、北海道でトラックの大会に出て、5000m1325秒切りを目指す。その後、12月の日本選手権10000m2730秒切りを目指す。当面はスピードの強化を軸に据えつつ、目標タイムをクリアしたあと、距離走などのマラソン練習に移行していく。見据える先は、再来年のロス五輪だ。

「安川電機に入社した当時は、世界陸上やオリンピックを目指せるレベルの選手ではなく、ニューイヤー駅伝などでチームの入賞に貢献できればと考えていました。マラソンもMGCに引っかかればいいなという気持ちで、世界という舞台はまったく意識できていなかったんです。でも、今はオリンピックに出るという目標を絶対に達成したいです。

 安川電機には、中本さん(健太郎/ロンドン五輪6位入賞/現安川電機陸上部監督)、北島さん(寿典/リオデジャネイロ五輪出場)という偉大な先輩がいらっしゃるので、そこに自分も続けるよう、ロス五輪の切符を勝ち取りたいと思います」

(終わり)

合田椋(ごうだ・りょう)1999年生まれ、岡山県倉敷市出身。倉敷高から拓殖大に進み、箱根駅伝は3年時に1区を走って区間11位。大学卒業後は実業団の安川電機でスピードに磨きをかけ、初マラソンとなった今年2月の大阪マラソンで2時間0651秒(日本人6位、総合10位)を出し、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ/2028年ロサンゼルス五輪マラソン日本代表選考会、202710月3日開催)出場権と新人賞を獲得した。マラソン以外の自己ベストは5000m13294110000m274822、ハーフマラソンが1時間0055秒。

 

著者プロフィール

  • 佐藤俊

    佐藤俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

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