箱根駅伝ランナー、東京五輪マラソン代表、そして箱根を目指す指揮官へ 中村匠吾が明治学院大学で切り開く新たな道 (2ページ目)
【恩師ふたりの言葉に背中を押されて】
その時の心境をこう振り返るように、コーチ経験もなく監督職に就くことに、中村自身は葛藤があった。実際、所属する富士通の福嶋正総監督からも「コーチを経験してから監督になっても遅くはないのではないか」というアドバイスがあったという。
「その言葉は福嶋さんの温かさであり、私を大事にしてくれているからでもありましたが、この明治学院大が声をかけてくれたのはひとつの縁だと思いました。一から監督業をやらせてもらうなかでやりやすさがあると思ったので、しっかり相談したうえで、どうせやるなら富士通を退社して覚悟を決めてやっていこうという決意を固めました」
茨の道が待っているのは承知のうえで、退路を絶ってオファーを受けることを決めた。
決断できたのは駒大時代の恩師である大八木弘明総監督の言葉も大きかった。
「大八木総監督の存在はすごく支えになっていて、現役時代はもちろん、これから指導者人生を歩んでいくうえでも数多くの相談をさせていただくことになると思っております。
明治学院大に行こうと決断できたのも大八木総監督の言葉でした。『中村だったらやれる』とおっしゃっていただきました。『一からのスタートは大変だと思うけど、それをまず"やりがい"として感じること』、『選手を第一に考えて、情熱を持って取り組んでいくこと』とおっしゃっていただき、その2点を真摯に受け止めて、これからの指導生活に活かしていければと思っております」
恩師の言葉が中村の背中を押した。
「大八木総監督や福嶋総監督に相談させていただいて、せっかくやるなら一から中村のカラーを作りながら、チームを(箱根駅伝)本戦に導いていくところがいいんじゃないかというお話もいただきまして、私としても心を決めて、ここにやってきたつもりです。精一杯選手に寄り添って、本選出場に向けて頑張っていきたいと思います」
今はまだ駒大色が強いかもしれないが、これからじわじわと中村のカラーを作り上げて、チームに浸透させていくことになる。
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