【箱根駅伝2026】黒田朝日の圧倒的強さとメンバーの経験不足――青学大はいかにして戦うのか? (2ページ目)
【エース黒田の後を受ける3・4区が大きなカギ】
さて、問題はそれをつないでいく選手たちが、実力をしっかり発揮できるかどうかだ。
青学大の不安材料、それはメンバーの経験不足だ。
前回の箱根駅伝の優勝メンバーから6人が抜けたことが、出雲と全日本では如実に表れ、綻びが見えた。
出雲では2区で折田壮太(兵庫・須磨学園)、3区で飯田翔大(鹿児島・出水中央)という期待の2年生が、それぞれ区間10位となり、早々に優勝戦線から脱落してしまった。
そして全日本では2区・荒巻朋熙(福岡・大牟田)、3区・宇田川瞬矢(埼玉・東農大三)、4区・塩出翔太(広島・世羅)、5区・佐藤有一(東京・拓大一)と安定感のある4年生を並べたはずだったが、ライバルとなる中央大、國學院大、駒澤大の後塵を拝し、4年生がインパクトのある走りを見せられなかった。
黒田の安定感は別格のプラスアルファの要素だが、この2本の駅伝を見た限り、前回、前々回と比べると全体的な安定感には欠ける。また、3年生は今季の出雲、全日本、そしてこれまで箱根を走った経験を持つ選手がいないこともあり、上級生として安定感をもたらすことができないでいる。
この不安を払拭するためには、やはり距離が延びる箱根で、全日本で振るわなかった4年生が上級生らしい走りを見せること、そして折田、飯田が往路の主要区間で「駅伝力」を見せることが必要になってくる。
青学大にとって、カギとなるのは黒田からたすきを受ける3区と4区のランナーだ。おそらく、将来の青学を背負う折田、飯田がこれらの主要区間を担うと予想されるが、果たしてどのような走りを見せてくれるのか。
折田はMARCH対抗戦の10000mで27分43秒92の自己ベストをマークして調子は上向き(折田は1区の可能性もある)、飯田は全日本の6区で区間賞を獲得して、強さを見せている。ふたりが実力を発揮すれば、総合優勝の可能性は高まる。
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