【箱根駅伝2026】國學院大学が上尾ハーフで取り戻した初の箱根制覇への機運 ルーキー野田顕臣、4年生・嘉数純平が見せた気概
上尾ハーフで入賞を果たした國學院大勢(左から嘉数、青木、野田) photo by Sugizono Masayuki
後編:國學院大が上尾ハーフで再び生み出した上昇気流
11月15日の上尾シティハーフマラソンでは、國學院勢の強さが目立った。日本人学生歴代10位となる1時間00分45秒の好タイムで優勝した青木瑠郁(4年)だけではない。青木に続きルーキーの野田顕臣、4年生の意地を見せた嘉数純平が入賞を果たし、吉田蔵之介も存在感を見せつけた。
全日本大学駅伝で味わった失意を払拭する快走。箱根本番に向け、勢いを取り戻した。
【ルーキー野田がU20日本新で高らかに存在をアピール】
1年生の野田顕臣は、初ハーフマラソンでU-20日本記録を塗り替える1時間01分29秒をマークし、6位入賞。レース終盤からの追い上げには、目を見張るものがあった。持ち味のスタミナを生かし、ぐんぐんとペースを上げた。
「離されても食らいついていく気持ちでいきました。1年なりに少し強さは発揮できたと思います」
出雲駅伝、全日本大学駅伝には出走しておらず、箱根駅伝のメンバー選考を兼ねた11月15日の上尾に照準を合わせていたという。遅れてきたルーキーは強度の高いポイント練習の前にロングジョグを入れるなど、型破りの練習方法で周囲を驚かせながら地道に距離を踏んできた。
「夏以降、ここに向けて、自信を持って臨めるようにひたすら取り組んできましたので」
客観的に見ると、タイム、順位ともに及第点だろう。ただ、本人は現実をシビアに見つめていた。國學院大には試合に出ていない強い先輩たちがまだまだいるという。さらにチームの秘密兵器と明かす同期の存在には刺激を受けている。
「髙石樹(高知工業高出身)は僕より練習で走れていて、今もめちゃくちゃ強いんです。3大駅伝にデビューしていないだけで、かなりの力を秘めています。レースに出ている選手の裏で、頑張っている人たちは多いですね。本当に選手層が厚くて......。自分はメンバーに入るか、入らないかぎりぎりのところです」
上尾では学生トップレベルの力を持つ1位の青木、2位の桑田駿介(駒澤大2年)との差も痛感させられた。
「どれだけ強い選手がいても、がむしゃらについていくつもりだったのですが、まだまだ自分は力不足でした」
それでも、初めて挑む箱根路へのイメージは膨らませている。希望している区間は10区。大舞台に思いを馳せると、自然と声も弾む。
「総合優勝のフィニッシュテープを切るのが、僕の夢のひとつ。1年生から区間賞を取って、チームに貢献したいです」
昨年は福岡の大牟田高校で全国高校駅伝の4区で区間賞を獲得し、準優勝に貢献。都大路の沿道からの声援に何度もガッツポーズで応え、話題にもなった個性派である。大舞台に物怖じしない勝負強さは、前田監督も買っている。
「高校の時から実績を残していて、メンタルが強い。勝負のレースでは絶対に引かないですから。ロングのロードが得意なので、箱根(20km以上)の距離は一番はまると思います。確実に戦力になってきますし、箱根の候補にもなってくるのかなと」
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著者プロフィール
杉園昌之 (すぎぞの・まさゆき)
1977年生まれ。サッカー専門誌の編集記者を経て、通信社の運動記者としてサッカー、陸上競技、ボクシング、野球、ラグビーなど多くの競技を取材した。現在はジャンルを問わずにフリーランスで活動。

