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【東京世界陸上】女子100mハードル福部真子・中島ひとみが準決勝敗退で胸に刻んだ悔しさと決意「もっともっと世界を目指せる選手に」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

 一方、準決勝の第2組を走った中島は、スタートの反応はよかったものの、世界記録保持者のトビ・アムサン(ナイジェリア)もいる組で硬さが出てしまい、13秒02の7位に終わった。

「何度か海外の試合も経験しましたが、(今回は)押しつぶされるような感じというか、重みが違いました。これでまで経験したことのない、満員の国立競技場を見て『まだ走りたかったな』という気持ちと、『続けてきてよかったな』という思いが湧き上がってきました。大歓声にタイムで応えることはできなかったけれど、一生忘れられない景色でした」

 世界のトップと走ったからこそ感じられた、自分に足りないものの数々。その悔しさと同時に「同じくらいの幸せな気持ちをもらった」と話す中島は、すでに次を見据えていた。

「今季で引退される寺田さんがいた穴を私自身が埋めることはできないけど、寺田さんが作り出したハードラー同士の仲間意識の強さは、私たちが受け継げるものだと思うので、ここに出ていた選手だけではなく日本のハードラーたちと、もっともっと世界を目指せる選手になっていきたいです」

 日本の女子ハードラーたちのレベルをさらに引き上げて、世界と戦える12秒5台に入るためにも、日本歴代1位と2位の記録を持つ福部と中島の牽引は不可欠。その役割を果たす決意を、ふたりはこの世界陸上で確かに胸に刻んだはずだ。

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