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箱根駅伝は「シード権争い」のラインも急上昇 7秒差に泣いた順大は、過去3大会なら5位相当のタイムだった (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

【11位の順大は「未来につながる駅伝になった」】

 9位を確保した東洋大だが、今回は窮地に立たされていた。12月末、2区に登録していた梅崎蓮(4年)に突発性のアキレス腱痛が発生。酒井監督は「途中でリタイアもあり得るかもしれない」と、前回2区で8人抜きを演じた主将を外す決断を下したのだ。

 急遽、1~3区の選手を入れ替える苦しいオーダーになり、2区終了時で19位と苦しんだ。それでも3区の迎暖人(1年)が区間8位、4区の岸本遼太郎(3年)が区間3位と好走して9位まで順位を押し上げる。5区の宮崎優(1年)も踏ん張り、9位を死守して往路を折り返した。

 復路は8区の網本佳悟(3年)が区間2位と快走し、9区の吉田周(4年)で8位に浮上した。最後は、「ラストが苦手」(酒井監督)なアンカー薄根の渾身のスパートが炸裂。総合9位でゴールに駆け込んだ。

 前回9位の帝京大は復路を14位でスタートするも、6区・廣田陸(2年)が区間4位で勢いをつける。9区・小林大晟(4年)も区間4位と好走してシード圏内に入った。最後はルーキー小林が、総合10位でフィニッシュ。中野孝行監督が、「4人は最高のレースをしましたよ」と絶賛するほどの"アンカー決戦"で競り勝った。

 一方で順大は、歴代4位タイとなる僅差でシード権を逃した。昨年10月の予選会ではわずか1秒差で出場権を死守したが、本戦では7秒差に涙した。ただ、6月の全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会で17位と惨敗したチームが、よくここまで上がってきたと言っていいだろう。

 往路13位から、7区の吉岡大翔(2年)が区間2位タイの力走で3人抜きで8位まで順位を押し上げた。アンカーの古川は、「スピード負け。覚悟を持っていけなかった」と最後は力尽きたが、長門俊介駅伝監督は「未来につながる駅伝になったと思いますよ。1秒で救われたこと、7秒の悔しさを感じながら励みたい」と前を向いた。今回は2区に玉目陸、5区に川原琉人と主要区間にルーキーを抜擢。復路は2年生4人というオーダーで復路6位という結果を残した。

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