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箱根駅伝 早稲田大の総合4位は「うれしい、ではなく、悔しい」 来季以降の頂点獲りへ臙脂軍団が復活の狼煙 (3ページ目)

  • 和田悟志●取材・文・写真 text & photo by Wada Satoshi

【「『来年度は総合優勝を目指す』と言える下地はできた」】

 来季に目を向ければ、早大の未来は明るい。もちろんライバル校も手強いが。

「原さん(晋、青山学院大監督)に『来年、早稲田は強いね』って言われました。やっとそう言ってもらえるようになりました」

 それもそのはず。5区を攻略した工藤に加え、山下りの6区も、2年生の山﨑一吹が58分台で区間5位と好走した。これまでたびたび課題となってきた山で、アドバンテージが期待できるのは大きい。エースの山口智規や山口竣平も健在。ハーフ1時間2分台の記録を持つ宮岡も、今回惜しくも出番を逃し、ラストイヤーにかける思いは大きい。吉倉や瀬間元輔ら現1年生も、さらなる成長を見せるはずだ。

 さらには、年末の全国高校駅伝で1区の日本人最高記録を打ち立てた八千代松陰高(千葉)の鈴木琉胤、3区区間賞の佐久長聖高(長野)の佐々木哲といった強力ルーキーも加わる。

「この春にすばらしい選手が入ってきますが、彼らを箱根駅伝のために育てようとはまったく思っていない。1年、2年積み重ねて、彼らが圧倒的な個になっていくチームづくりをしたい」

 花田監督はこう話すが、都大路での走りからも、十分に即戦力としての活躍を望めそうだ。

 屋台骨を担ってきた現4年生は卒業するものの、「戦力ダウンはない。年々、戦力は上がっていくと思います」と、花田監督は育成と強化に自信を口にしている。

「報告会でもテレビのインタビューでも、『来年度は総合優勝を目指す』と言いました。そう言えるぐらいの下地はできたと思っています」

 大学駅伝三冠を成し遂げた2010年度を最後に"優勝"のふた文字から遠ざかっているが、いよいよ頂点が視野にある。新年度は、早大が久々に大きな注目を集めそうだ。

著者プロフィール

  • 和田悟志

    和田悟志 (わだ・さとし)

    1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDoスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。

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