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パリ五輪でメダル期待の男子「4×400m」マイルリレー 日本初の快挙に挑む「サムライ」たちの現在地 (3ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi

【400mを「スプリント」として考える】

 日本選手権の2位には佐藤風雅が入った。

「360mまででした。400mを走りきれなかった。残りの40mをどう修正するか......」

 前半先行しながらも、ラストで中島に敗れた。レース後に課題を口にしたが、実は日本選手権の2週間前に体調を崩し、不安もあったという。

 それでも、しっかりレースに合わせられたことには手応えを口にしていた。

 3年前の日本選手権は5着に終わり、個人でもリレーでも東京五輪の舞台に立てなかった。

「あの時は、マイル(4×400mリレーのこと)の5番手の枠を狙って日本選手権に臨んでいた。そういった部分が自分の弱さだとあらためて気づいた。

 この3年間は個の強さを磨こうと思ってやってきた。今回1番を取れなかったのは非常に悔しいですけど、しっかり2番に入って、実力で個人の枠を勝ち取れることを本当にうれしく思っています」

 即内定とはならなかったものの、すでに参加標準記録を突破しており、2位に入ったことでパリ五輪出場を確実なものにした(7月4日に追加で内定となった)。その事実は素直に喜んでいた。

 この3年間はフィジカルを強化し、400mという種目の捉え方が変わったという。

「以前は400mを前半・後半と分けていたんですけど、フィジカルを鍛えたことで400mを"スプリント"として走れるようになりました。海外には前半を20秒台で入る選手がいるので、『単純に足が速くなればいいんじゃないか』という結論に辿りついた」

 先のコメントにあるとおり、今回は360mまで、佐藤の言う"スプリント"としての走りができた。あと40mは、佐藤風雅の伸びしろと見ていい。

 一方で若干の不安を残したのが、日本記録保持者の佐藤拳太郎だった。

 レース前に古傷の左アキレス腱に痛みがあるのを明かしており、予選は45秒69で組2着だった。しかし、決勝は棄権。「予選を走り、本日の雨の状況から体調を考慮し、決勝を棄権することにしました」と、大会事務局を通じてコメントを残した。

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