箱根駅伝総合優勝を狙う國學院大學 ルーキー・浅野結太&飯國新太がメンバー入りに闘志 (2ページ目)

  • 杉園昌之⚫︎取材・文 text by Sugizono Masayuki
  • 小山真司●写真 photo by Oyama Shinji

【元来の実力と将来性を兼ね添えた飯國】

都大路にも2度の出場経験のある飯國都大路にも2度の出場経験のある飯國この記事に関連する写真を見る 注目のニューフェイスは13分台ランナーだけではない。城西大城西高(東京)出身の岡村享一は高校2年時に全国高校駅伝の4区で出走した経験があり、14分05秒47の自己記録を持つ。そして、大学入学後、目を見張る成長を見せているのが、國學院久我山高(東京)で都大路(全国高校駅伝)を2度走った飯國新太。前田監督が浅野とともに高く評価するひとりだ。

「相当なレベルまで来ると思いますよ。このふたりは山本歩夢(4年/5000mで13分34秒85、ハーフマラソンで1時間00分43秒といずれも國學院歴代1位)を超えるくらいになるかもしれません」

 飯國は東京都荒川区育ち。中学校入学時にサッカーから陸上に転向し、本格的に長距離に取り組んできた。頭角を現したのは、國學院久我山高校に入ってから。1年生のときに前田監督の目に留まり、声を掛けられたという。1年目から全国高校駅伝の6区で出走し、伊那駅伝では2区で圧巻の24人抜きを披露。当然、箱根駅伝の優勝経験を持つ強豪校からも誘いを受けていたが、3年生を迎える前に選んだのは國學院大だった。

「寮生活、練習面などを総合的に考えての決断でした。世代トップランナーの平林さん、山本さんと一緒に練習して生活したいと思ったのも大きかったです」

 高校時代に國學院大の合宿に参加し、平林と同部屋で過ごした時間も忘れられない。ストイックに競技に取り組み、生活面から陸上を中心に考えていたという。

「すべてを懸けている、という気持ちが伝わってきました。自分ももっと頑張らないといけないというモチベーションになり、そういう人と一緒に走りたいなと思ったんです」

 入寮から約1カ月。國學院大でレベルの高い練習を積んだ成果はすぐに出た。高校3年時のタイムは14分01秒53だったが、4月7日にいきなり13分56秒21と自己ベストを更新し、同27日には1万mで28分49秒49をマークした。
「高校時代からずっと13分台を出したかったので、やっと出せたという感じです。僕の世代でも13分台はザラにいますので、ようやくスタートラインに立てました。1万mでは同組で一緒に走った先輩たちに負けないことを意識していました。ここでチームトップを取らないと、駅伝は走れないぞって(結果は学内1位でフィニッシュ)。同期も強いですし、危機感は持っています。僕はもっと頑張らないといけません」

 主力組の仲間入りを果たしても慢心はない。継続は力なりと自らに言い聞かせ、故障せずに走り続けることが、何よりも成長につながるという。夏合宿を乗り越えた先に三大駅伝の出走も見えてくる。力を入れるのはトラックよりもロード。ハーフマラソンに対応するために走り込み、今冬までには62分前半のタイムを目指す。見据えるのは箱根駅伝。山上りの5区に憧れ、高校時代から起伏のあるコースは得意だった。大学入学も毎週金曜日は、ジョグでアップダウンのあるコースを走っている。

「國學院の課題と言われる『山』を走って、総合優勝に貢献したいです」

 13分台ランナーが6人も入学した青山学院大は、強く意識するライバル。飯國は高校時代の持ちタイムで負けていた同世代への対抗心を隠そうとしない。

「高校時代に速くても、大学で必ずしも強くなるとは限りません。ここからどれだけ練習を積めるかどうかで変わってきますから。いずれ勝てると思っています」

 同期の浅野とともに「負けたくない」と口をそろえるのが、5000mで日本高校歴代2位の13分28秒78を持つ青学大の折田壮太。浅からぬ因縁があるのだ。昨夏、インターハイ5000mの決勝では、ふたりそろって実力の差を見せつけられた。

「次、勝負する時は戦いにいきます」(飯國)

 打倒、青学大へ。令和の箱根を見て育ったルーキーたちも、ふつふつと闘志を燃やしている。

ともに大学での活躍を日ごろから高め合っているともに大学での活躍を日ごろから高め合っているこの記事に関連する写真を見る【Profile】
浅野結太(あさの・ゆうた)/2005年11月7日生まれ、茨城県出身。大野中→鹿島学園高(茨城)。高校3年時のインターハイ5000m13位。自己ベストは5000m13分59秒19。

飯國新太(いいぐに・あらた)/2005年9月24日生まれ、東京都出身。南千住二中→國學院久我山高(東京)。高校3年時のインターハイ5000m12位。自己ベストは5000m13分56秒21、1万m28分49秒49。

プロフィール

  • 杉園昌之

    杉園昌之 (すぎぞの・まさゆき)

    1977年生まれ。サッカー専門誌の編集記者を経て、通信社の運動記者としてサッカー、陸上競技、ボクシング、野球、ラグビーなど多くの競技を取材した。現在はジャンルを問わずにフリーランスで活動。

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