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箱根駅伝エントリーメンバーから漏れた有力選手 優勝経験者やキャプテン、留学生まで... (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun

【注目の留学生や将来のエースも......】

 國學院大は、鶴元太(3年)がエントリーから外れた。1年時は1区にエントリーされたが当日変更で走れず、2年時は4区にエントリーされたが、またしても当日変更でアウト。そして、今回は16名のエントリーから名前が消えた。1年生、2年生世代が強く、そこに押し出された感があるが、101回大会で最上級生として箱根を走れるか。

 木村文哉(3年)も今回、エントリーから漏れた。2年時は、1区に配置されたが当日変更で出走はならず。そして今回は、16名の枠から外れてしまった。来シーズンは強力な新1年生が入ってくるとなると、下級生の成長と突き上げが予想されるだけに、鶴も木村もこれから大幅に自己ベストを更新して存在感を示していくしかない。

 創価大では、主将の志村健太(4年)と、出雲駅伝3区2位の好走でチーム2位に貢献したリーキー・カミナ(3年)が外れた。5000m13分30秒54、10000m27分50秒66のタイムを持つカミナは、3年間2区を走ったフィリップ・ムルワの後継者候補。だが、今回の箱根は1年生のスティーブン・ムチーニがその役を担うことになりそうだ。

 東洋大では、出雲駅伝5区7位の菅野大輝(4年)、将来のエースと言われ活躍が期待された石田洸介(3年)がエントリーから漏れた。菅野はロードに自信があり、復路での起用が検討されていたが、箱根を走れずに卒業することになった。石田は本来なら松山和希(4年)と並ぶエースになり、東洋大を引っ張っていくべき存在。だが今年は、駅伝で低空飛行を続ける東洋を救うことができなかった。ラストシーズンとなる101回大会では2年時、2区19位に終わった雪辱を晴らせるか。

 学生主体で戦う立教大は、学生でエントリーメンバーを決め、主将の宮沢徹(4年)、内田賢利(4年)、山候補だった永井駿(2年)が外れた。宮澤は1月に日体大長距離競技会で自己ベストを更新し、メンバー入りに意欲を見せたが、最後の箱根は仲間に託すことになった。内田は前回6区を走り、3000m障害が主戦場だが関東インカレでアキレス腱を断裂し、駅伝を走るところまで戻すことができなかった。永井は激坂最速王(13.5キロ)で8位に入り、5区をアピールしたが、前回5区を走った相沢拓摩(2年)とともに、今回はエントリー入りを果たせなかった。それだけに、今回の立教は山を誰が走るのか注目だ。

 16名のメンバー枠から漏れた選手たちにとって、気持ちを切り替えることは容易ではないはずだが、ここから箱根本番までの期間、出走する選手たちのサポートに回り、裏方に徹することになる。ある選手は練習のサポート役に回り、ある選手は箱根のタイム計測、応援などを担う。給水係などの人選もこれから進んでいくだろう。そうして、出走する選手に勝負に集中してもらい、いかに気持ちよく走ってもらうか。彼らの仕事は、きわめて重大だ。

著者プロフィール

  • 佐藤 俊

    佐藤 俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など著書多数。

【画像】駒大スポーツ新聞「コマスポ」編集部・インタビューカット集

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