箱根駅伝エントリーメンバーから漏れた有力選手 優勝経験者やキャプテン、留学生まで... (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun

【青学大は2年連続でキャプテンが外れる】

 駒澤大の3冠を阻止すべく、鼻息が荒い原晋監督が仕切る青学大は、昨年のキャプテンの宮坂大器につづいて今年のキャプテンの志貴勇斗(4年)もメンバーから外れた。

 志貴は、2年時の箱根駅伝では、1区5位で流れを作り、総合優勝に貢献している。今年は自ら立候補してキャプテンになったが、春先から調子が上がらず、関東インカレのハーフでは23位に終わり、渋い表情を見せていた。今後の自分に期待をしていたが、ギアが上がらず、出雲と全日本は登録メンバー外。箱根の選考レースである世田谷246ハーフは65位、最後のチャンスになったMARCH対抗戦の10000mは、チームメイトが28分台で自己ベストを更新していく中、30分36秒52の19位に終わった。結局、最後まで復調をアピールできず、前回大会につづいてキャプテンが応援に回ることになった。

 出雲駅伝6区8位で駅伝デビューした鶴川正也(3年)もメンバーから外れた。5000m13分35秒51で部内2位のタイムを持つスピードランナーだが、青学大の場合、一度レースに失敗して原監督の信頼を失うとなかなか駅伝では使ってもらえなくなる。今回エントリー入りした山内健登(4年)も1年時に全日本6区9位と失速し、2年、3年は駅伝に起用されなかった。だが、今シーズン、4年生になって出雲、全日本で結果を出して箱根メンバー入り。鶴川は来年、最上級生になるが、この悔しさをどう晴らしていくのか、楽しみだ。

 また、出雲で駅伝デビューを果たしたが、5区10位とブレーキになった鳥井健太(1年)もメンバーから外れた。出雲では責任を感じて涙を流したが「必ずやり返す」と誓った。その後、世田谷246ハーフで優勝し、MARCH対抗戦では初レースとなる10000mで28分33秒64をマーク。箱根への切符を掴んだかのように見えた。上りに強く5区希望だったが、その区間候補には若林宏樹(3年)、黒田朝日(2年)がいる。彼らの間に割って入る隙がなかったのかもしれないが、調子が上がってきていただけに落選は残念だった。

 駒澤大を追う中央大は、佐野拓実(3年)が選考レースの上尾シティハーフでは64分21秒の69位で自己ベストを更新し、当落線上で頑張っていた。だが、合格ラインを越えられず、最終テストとして藤原正和監督が指定した12月2日の日体大長距離競技会10000mに出場。ここで29分17秒39と自己ベストを出したものの他選手に敗れ、箱根への挑戦が終わった。

 また、この記録会で、29分04秒42と自己ベストをマークした鈴木耕太郎(1年)も残念ながらメンバーから漏れた。それでも、中央大は今回4名の1年生がエントリーをしており、これからも充実した編成ができそうだ。

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