箱根駅伝の予選会出場は「出雲、全日本への踏み台」 皇學館大・主将が語る「監督不在の3カ月」と挑戦までの経緯 (3ページ目)
箱根駅伝の予選会はハーフでタイムを争うことになる。それまで年間のレースにハーフが組み込まれたことはほとんどなかったが、予選会を戦うために選手は距離を踏み、足を作ってきた。選手のモチベーションを上げるために、各自の月間走行距離をまとめてランキングで見せ、お互いに刺激を与えるようにした。
――ランキングで走行距離を見せる取り組みは、お互いへの刺激になったのですか。
「距離を可視化するのは大事なことで、次は自分が誰よりも上にいきたいと競うようになり、距離が増えていきました。8月にはトップで900キロ前後まで行きました。例年だと600キロぐらいが普通だったんですが、700キロから800キロぐらいに全体のアベレージが上がったので、競争がいい方向に働いたと思います」
――予選会では、関東勢に一泡吹かせたい。
「どこまでできるかわからないですけど、皇學館大として何かを見せたいですし、チームとしても個人としても何かを得たいと思っています。ただ、自分たちが一番目標にしているのが出雲と全日本なのは変わらないです。このふたつの駅伝を走るために、僕たちは皇學館大学に入ってきました。今回の箱根の予選会はもちろん出るからには13番以内を目指しますが、個人的には来年、全日本の予選会をぶっちぎりで勝つために、そして出雲と全日本に出て、そこで結果を出すための踏み台になればいいかなと思っています」
――箱根の予選会、皇學館大に注目してほしいところはありますか。
「うちは、元気なチームで、怖いもの知らずの選手が多いので、最初からガンガンと攻めていく、エネルギッシュな走りを見てもらいたいですね。残念ながら自分は故障で走ることができませんが、出走した全員が皇學館大という名前を知ってもらえる走りができるように、精一杯応援していきたいと思います」
著者プロフィール
佐藤 俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など著書多数。
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