青学大の成功と駒澤大の失敗...。上位校監督の言葉で箱根駅伝を振り返る (2ページ目)
【駒澤大はどこでコケたのか】
対して駒澤大は、1万m27分41秒68を持つ準エース・鈴木芽吹(2年)の状態が上がらなかったことが敗戦の大きな要因になった。1区にチーム3番目の28分02秒52を持つ唐澤拓海(2年)を起用して、2区で田澤、3区で鈴木と速い3人を並べ、そこで差を広げて往路優勝ができるという狙いがあったはず。
だが、故障明けの鈴木の調整が間に合わず、2区の田澤も東京国際大のイェゴン・ヴィンセントの不調で、「追いついてきたヴィンセントと競り合って1時間5分台を出す」という構想が崩れて思っていたよりもスピードが出ず、2区終了時点で2位の青学大との差を1分2秒にしかできなかった。
大八木弘明監督は、3区と4区に出雲駅伝と全日本で堅実に走った花尾恭輔(2年)と安原太陽(2年)を起用したが、最初は3区に花尾、4区に安原と考えていた。しかし5000mで記録のいい安原のほうが、下りが得意だと判断して3区に起用したものの、レースでスタミナ練習不足が出てしまった。12.9kmで青学大と東京国際大に追いつかれ、14.2kmからは遅れる展開。青学大の太田には3分01秒負ける区間16位で順位を5位に落とすと、4区の花尾も攻めきれず、区間9位で6位という結果になった。5区起用の金子伊吹(2年)が区間4位とよかっただけに、3区と4区が惜しまれる走りだった。
翌日の復路は大八木監督も4人を当日交代する勝負に出て、6区では10秒詰めたが、7区の白鳥哲汰(2年)が区間10位と伸びず。8区の鈴木は大八木監督が「10kmで一杯いっぱいになったと話していた」と言うように、故障箇所に痛みが出て区間18位と失速。9区、10区と粘り、東洋大とゴール前まで競り合った3位争いでは2秒差で勝利したが、逆転優勝へ向けた賭けは外れてしまった。
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