2022.01.05

箱根駅伝優勝から3年でシード落ちの東海大。強化方針の転換に「対応できない上級生と対応している下級生で差が出てしまった」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 日刊スポーツ/アフロ

10区では8位で襷をもらったものの、ゴール時点では11位となりシード権を失った東海大10区では8位で襷をもらったものの、ゴール時点では11位となりシード権を失った東海大 この記事に関連する写真を見る  箱根駅伝10区、東海大にまさかの出来事が起きた。

 ラスト1キロの地点、10位をなんとかキープしていたが、うしろから猛追してくる法政大に飲み込まれ、11位に後退。そのまま差を広げられて、シード権を失った。

「これも駅伝。残念です」

 両角速監督は、そう言って悔しさを噛みしめた。

 3年前の第95回大会は黄金世代と3本柱を擁して初優勝を果たし、前々回大会は2位、前回大会は5位ながら3区では一時トップに立つなど力のあるところを見せた。今大会も1区の市村朋樹(4年)が3位で襷(たすき)を渡し、その後を期待させたが2区から低迷し、一時は17位まで順位を落とした。頂点を極めてからわずか3年でシード権を失うことになったのは、なぜか。

 出足は悪くなかった。

 1区の市村が区間3位で2区の松崎咲人(3年)に襷をつなぎ、いい流れを作った。大エースの石原翔太郎(2年)が不在のなか、その役割を担った松崎だが、強者揃いの2区で区間17位と落ち込み、順位を16位に下げた。駅伝は、よく「流れ」が重要と言われるが、ここで1区のよい流れが断ち切られ、3区、4区も低調に推移し、4区終了時点で17位。トップの青学大とは7分10秒もの大差がついていた。

 この時点で、目標は当初の6位内ではなく、シード権確保に切り替わった。

 10位早稲田大とのタイム差は、2分38秒、山の5区で、果たしてどれだけ詰められるか。期待のルーキー吉田響(1年)が区間2位の走りで順位を10位に押し上げ、なんとかシード権をキープできるところまでたどり着いた。

 復路は、7区の越陽汰(1年)が区間3位の好走で8位に順位を押し上げて、そのまま9区まで順位をキープした。ラストの10区を残して11位法政大との差は、1分22秒差。アンカーの吉冨裕太(4年)がこのまま走りきることができればシード権は、死守できる。「夏ぐらいまでは戦力になるかどうかという選手だった」(両角監督)という吉富だがラストチャンスを掴んだ。4年生として最後の走りになるが、シード権を後輩に残すことを第一に考えていたはずだ。序盤は順調だったが、徐々にペースが乱れ、何らかの異変が起きているようだった。

「低血糖症でした。筋グリコーゲンを貯蔵しておくように指示しておけば、こういうことにはならなかった。私のミスです」

 レース後、両角監督はそう語ったが、残り1キロ地点で法政大にかわされた。吉富は区間19位の走りでフラフラになりながら11位でフィッシュ。

 東海大は、7年間、守り続けてきたシード権を失うことになった。