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駒澤大・大八木弘明監督がぼやいた出雲駅伝の誤算。全日本でも本命だが優勝へのポイントは? (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by SportsPressJP/AFLO

 レース当日の朝、ホテルのロビーでたまたま大八木監督に出くわすと、「芽吹がいればなあ」とぼやき、「せめて(田澤に)先に渡したいね」と話していた。駒澤大が東京国際大に勝つためには5区終了時で前にいることが最低条件だったのだ。

 鈴木不在とはいえ、駒澤大は1~5区にスピードランナーを並べていた。両校の5000mベストタイムは以下のとおりで、3区以外は駒澤大のほうが上だった。

    駒澤大      東京国際大
1区 篠原13分48秒57  山谷13分49秒47
2区 安原13分43秒65  佐藤13分50秒31
3区 花尾13分51秒89  丹所13分46秒17
4区 唐澤13分32秒58  白井13分58秒00
5区 赤津13分52秒27  宗像13分57秒22

 しかし、駒澤大はトラックのスピードを生かすことができない。1区の篠原はトップ発進した青学大・近藤幸太郎(3年)と16秒差の区間8位。9月の日本インカレ5000mでは優勝した近藤に約2秒差で食らいついたことを考えると、少し物足りなかった。東京国際大・山谷昌也(3年)にも11秒差をつけられている。

 2区の安原は2人を抜いて6位に浮上するも、東京国際大・佐藤榛紀(1年)を1秒詰めただけ。2区の途中で、大八木監督は「東京国際大さんと同じところにいるので厳しいですね」と顔を曇らせていた。

 3区花尾は区間4位の走りで順位をひとつ上げるが、東京国際大・丹所健(3年)に42秒差をつけられる。この時点で首位の東京国際大とは52秒のビハインドだった。4区唐澤で8位に順位を落とすと、5区赤津も区間10位と大苦戦。東京国際大との差はさらに広がった。

 田澤にタスキが渡ったときには、東京国際大は2分22秒も先にいた。田澤が3人抜きで意地を見せるも、駒澤大は5位で出雲駅伝を終えた。

 レース後、大八木監督は、「1区から5区までの選手はスピードがまだまだ。強さの面も全然なかった。鈴木がいれば2番にはなっていたと思います」と神妙に話していた。

 駅伝は一斉スタートのトラックレースと異なり、1区以外は単独走になることが多い。ひとりでもリズムを作り、終盤もしっかりと押していけるのか。今回は気温30度以上の暑さと横風に体力を削られたランナーは少なくなかった。

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