2021.01.22

駒澤大の大八木監督が箱根逆転優勝の要因を分析。ピタリとハマった狙い

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Tsutomu Kishimoto/PICSPORT

 今年の箱根駅伝で駒澤大は、目標を3位以内としていたものの、10区で創価大との3分19秒差を逆転して13年ぶり7回目の総合優勝を果たした。

自分の走りをしっかりとして、10区の大逆転を演出した3年生の石川拓慎 駒澤大は、昨年11月の全日本大学駅伝も6年ぶりに制している。チームとしては、エースの田澤廉(2年)を筆頭に、1年生と2年生に勢いがあり、谷間の世代とも呼ばれる3年生は、起用されてこなかった。これまでも現3年生は、前回の箱根10区(区間7位)を走った石川拓慎以外、3大駅伝の経験がなかった。

 しかし、大八木弘明監督は、全日本後にこんなことを考えていた。

「全日本は田澤をアンカーにして、4年の小林歩と1年エースの鈴木芽吹のどちらかを17.6kmの7区に起用し、外れた方を真ん中の区間に持っていけば優勝できると考えていたんです。結果的にはその通りになりましたが、つなぎの6区は、石川と山野力(2年)のどちらを使うか迷い、5000mの結果がよかった山野を使い、石川は箱根に取っておくことにしました。それを決めた時に、3年間コツコツとスタミナを積み上げてきた、石川以外の3年生も箱根で使いたいなと思ったんです」

 1区の候補は、全日本1区を走った加藤淳(4年)と白鳥哲汰(1年)だったが、ともに15km以降に不安があった。序盤からハイペースになる展開であればファーストチョイスは加藤。大八木監督は2年連続1区だった早稲田大の中谷雄飛(3年)がいないだろう1区は、スローペースになる確率が高いと読んで、最後の状態のよさから白鳥を1区走者に決めた。

 田澤の2区起用は、苦肉の策だった。じつは田澤は、12月4日の日本選手権1万mでは、27分46秒09で8位になったあとに腰と背中の張りがひどく、1週間かかって状態を戻したものの、疲労が残っていた。