2020.12.24

箱根駅伝2大会ぶり優勝へ。
新戦力台頭で強い東海大が帰ってきた

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

東海大・駅伝戦記 第83回

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 今年初めての駅伝レースとなった全日本大学駅伝。東海大は昨年同様、アンカー勝負で名取燎太(4年)が粘ったが、駒澤大の田澤廉(2年)に後半突き放され、惜しくも連覇はならなかった。だが、東海大にとっては収穫の大きいレースとなった。

 今年は出雲駅伝が中止になるなど、選手の実力を把握できない状況が続いていた。記録会でタイムが出ても、それがロードのレースに反映されるかといえば、必ずしもそうとは限らない。だが、全日本大学駅伝という大きな舞台で期待する選手を起用し、その実力を確認できたことは極めて大きかった。

 東海大の今シーズンのテーマは、これまでチームを支えてきた"黄金世代"が抜けた穴をいかに埋められるか、だった。新戦力の発掘、台頭は必須だったわけだ。

全日本大学駅伝で圧巻の走りを見せた東海大3年の長田駿佑 今年のスタート時点で計算できたのは、4年生の塩澤稀夕(きせき)、西田壮志、名取の3人に、昨年の出雲駅伝、全日本大学駅伝を走った3年生の市村朋樹、前回の箱根駅伝7区で快走した2年生の松崎咲人の計5人だった。

 もちろん、彼ら以外にもこれまで各駅伝のエントリーメンバーに入り、期待されていた選手はいた。だが"黄金世代"という厚い壁を破れずに、出走するまでには至らなかった。

 そんななか、今年は1年生が夏合宿からいい走りを見せるようになり、記録会で自己ベストを更新。ただ、ロードは練習では走っているが、レースは皆無。全日本大学駅伝で区間登録された選手のうち、1区の佐伯陽生(ようせい/1年)、4区の石原翔太郎(1年)、5区の本間敬大(3年)、6区の長田駿佑(ながた・しゅんすけ/3年)が駅伝デビューとなった。

 彼らがどんな走りを見せるのか。その内容と結果が箱根駅伝の戦い方に大きな影響を及ぼすため、レース前から高い注目を集めていた。結論から言うと、4人は期待どおり、いや期待以上の走りを見せた。

 佐伯は1区の適性を見せた。慌てることなく、集団走で力をため、周囲の動きを冷静に見てレースをしていた。後半、順天堂大の三浦龍司(1年)が仕掛けると、「負けたくない」と懸命についていく気持ちの強さを見せた。