立教大が箱根予選会でまさかの28位。
惨敗のなかで見えた悲願への道程 (2ページ目)
チームが掲げた目標タイムはクリアした。だが順位は、上野監督が予想したよりもはるかに下だった。
「目標タイムはクリアしてくれたし、個々のタイムも忠内と金城快(369位/67:11)がちょっとブレーキになった以外、ほかの選手はほぼ予定どおりでした。1年生がこれだけ走れば十分だし、自分たちは進歩したなと思ったんです。でも、他大学の選手が自分たち以上に進歩し、速く、レース運びも上手でした。選手のコンディション、展開、他大学の状況など、読み切れなかった僕の責任です。指導力を身につけていかないと上位には勝てない。あらためて指導者の難しさを感じました」
上野監督は沈痛な表情でそう語った。
昨年は気温が上がり、後半にペースが落ちて最後はスタミナ勝負になった。だが今回は、雨のなか気温も低く、多くの大学が攻めの姿勢でレースに臨み、最後まで粘りきった大学が箱根本戦の切符をつかんだ。
「ウチはある程度、決まったペースで行かせようと計画していました。中山も本来は62分台で走れる力があったんですが、走る前『3分切るぐらいのペースでいけるところまでいこう』と制限をかけてしまったんです。突っ込ませたらどうなっていたか......そこも読み切れなかった悔しさがあります」
レース後、上野監督は「もっと速いペースでいけばよかったかな」と中山に問うと、「自分で選択したので問題ありません」と語ったという。ただ、一番悔しそうな表情を見せていたのが中山だった。他大学の1年生が好走し、61分台や62分台の結果を残しているのを知ると、表情がくもった。また、目標のひとつにしていた学生連合入りも10番目までのタイムなら箱根を走れる可能性が大きくなるが、12番目だと知ると、さらに厳しい表情になった
「中山はいつもニコニコしているけど、今回はレースが終わって、ミーティング中もずっと険しい表情のままでした。入学してからここまで自分なりにやれている感があったと思うので、そのショックもあったと思います。斎藤も25秒差で中山に負け、かなり悔しがっていました。チームでそうした競争や悔しさをあらわにするのは大事なこと。そういうところがウチに足りなかった部分だったので、それをどれだけ選手が共有できるか。それが来年に向けて重要なことだと思います」
2 / 4