出雲駅伝中止で箱根予選会は?立教大・上野監督「1年生の救済処置を」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Nagase Tomoya/PHOTO KISHIMOTO

 関口も服部も力がある選手だけに、上野監督もタイムについては残念そうだったが、今年最初のレースであること、久しぶりの実戦ということを考えれば、致し方ない結果ともいえた。

 また、7月11、12日には東海大で記録会が開催された。立教大からは1年生を中心に16名の選手が出走した。

「このレースは、自粛期間中も選手が一生懸命練習してきたので、なんとか試合に出させてあげたいと思ってエントリーしました。彼らの努力を見てきたし、最低限このくらいで走れるだろうと思っていたのですが......まさかの結果で、打ちのめされてしまいました」

 16名中、自己ベストを更新したのは石鍋拓海(3年)のみ。上野監督がペーサーを務めた組もあったが、ほとんどの選手がついていけなかった。

「僕がペーサーをしてレースを引っ張ったんですが、蒸し暑かったので少し落としてもいいかなって思っていたんです。でも、主催者側からベストを狙いたいということでペースをあげたんです。きつくなるのがわかっていたので、うちの学生には『ついてくるな』と言ったんですが......みんなきてしまって、3000mを通過したらひとりしかついてきていない。

 正直、レース前はもっとタイムが出ると思っていました。1年生についてはほぼ全員が自己ベストを出すだろうと。練習でいいタイムが出ても、レースでも同じというレベルには達していない。ただ、選手たちの今の状態を知れたことはポジティブにとらえています」

 唯一、自己ベストを更新した石鍋は、自粛期間中も上野監督と自主練習についてのやりとりを頻繁に行ない、実践していた。

 その一方で、キャプテンの増井大介(4年)、期待された中山凛斗(1年)は疲労の抜き方、調子の持っていき方にはっきりとした課題が浮き彫りになった。ただ、それがわかったことで「次につながる」と上野監督は言う。

 今回、2つの大会を経て、上野監督は現状のチーム力を把握することができた。チームの目標は「箱根予選会で15番以内」だが、まだ少し高いと感じている。

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